休日のんびりご近所散歩



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CLICK! 江戸情緒を楽しむ(其の壱) 深川不動堂〜永代寺〜富岡八幡宮 

江戸情緒を楽しむ(其の壱) 深川不動堂〜永代寺〜富岡八幡宮

名店揃いの「ご利益通り」

 今に残る江戸・下町情緒を味わうには最適の入門コース。地下鉄東西線/大江戸線・門前仲町駅の1番出口を上がると、永代通りに面して鳥居のような赤い門が。これが成田山新勝寺東京別院・深川不動の入り口。毎月1/15/28日には縁日が開かれ、参道は露店と参拝客で賑わう。この参道は別名「人情深川ご利益通り」。参拝の前に、名店揃いの「ご利益通り」をあれこれ覗いてみるのもいい。

 まずは参道入り口の「伊勢屋」。深川丼から甘味までなんでも揃う下町のファミレス。一階の売店には和菓子や惣菜が所狭しと並ぶ。参道に入ってすぐ右側にあるのが、揚げまんじゅうの「宮月堂」。少し進んで左手には洋菓子の名店「サロンド・ペリニィヨン」。ここのイチゴのショートは絶品。同じく左手の先には佃煮の老舗「筑定」に和洋菓子の「梅花亭」。右を見れば深川丼の「六衛門」。十字路を過ぎてすぐ左手には可愛らしい飴やせんべいが並ぶ「深川 華」。その先には明治元年創業の元きんつば屋さん「清水甘酒店」。その先が京漬物の「近為」。食事が出来る一号店と二号店がある。

 他にも宝石の真珠堂、象牙細工の小磯屋、おかきのむさしや、せんべいのきかく、米屋のようかんの米崎屋、瓦せんべいのあいはら、漢方薬の成田堂などがあるが、きりがないのでこの辺で。

大迫力の「護摩供養」

 で、肝心の深川不動堂だが、開創310年を期に新本堂が平成23年(2011年)完成。ここに来たらぜひ、護摩供養を体験して欲しい。朝9時から2時間毎に1日5回(縁日のときは6回)行われていて、見学は自由。2基の太鼓に合わせ、炎を上げて一心不乱に読経する様は大迫力。荷物の”お清め”もしてもらえる。心も体も清められる感じ。「凶」が多いと評判のおみくじは100円。

 参拝が済んだら、参道を引き返して「永代寺」へ。昔の大寺院の面影はないが、こぢんまりとして品の良いお寺。そこから十字路を左折して、富岡(深川)八幡宮へ。脇道からも入れるが、ここはぜひ永代通りまで出て、大鳥居をくぐってもらいたい。すぐ左手には伊能忠敬の像。その奥に深川めしの「深川宿」。右手には必ず誰かが背比べをしている「巨人力士碑」に「手形碑」。ここは江戸勧進相撲の発祥の地。少し先の左手にはかつては紀文が奉納したという黄金の御輿2基。ちなみに現在ある御輿は佐川清氏が奉納。参拝が済んで時間があったら、本殿奥にあるたくさんの力士碑も見ていくといい。帰りにひくおみくじは、ちょっとお高い200円。さあ、吉と出るか、凶とでるか? 値段の分、深川不動より甘めな気も…。

CLICK! 江戸情緒を楽しむ(其の弐) 霊岸寺〜深川江戸資料館〜清澄庭園 

江戸情緒を楽しむ(其の弐) 霊岸寺〜深川江戸資料館〜清澄庭園

 大江戸線・清澄白河駅B1出口を出て、清洲橋通りをはさんだ向かい側が深川江戸資料館通り。まずは寛政の改革で有名な松平定信が眠る「霊岸寺」へ。定信が白河藩主であったことから、今もこの地に「白河」の名を残す。ちなみに屋敷があったのは、現在の江東区牡丹のあたり。寺の名前からもわかるように、元々は霊岸島にあったのだが、明暦の大火(振袖火事)で全焼。現在の地に再建された。

 閑静な境内を奥へと進むと、左手に突然大きな地蔵尊が。江戸六地蔵のうち5番目に建てられたもので、享保2年(1717年)の建立。さらにその奥右手にあるのが定信公の墓所だが、東日本大震災で倒壊し、現在非公開。墓は壊されるわ、領地は原発で汚染されるわで、天国の定信公、さぞかしご立腹だろう。

江戸の下町にタイムスリップ

 霊岸寺を出て左手すぐ先にあるのが、深川江戸資料館。江戸時代の庶民の暮らしをリアルに再現したミニ・テーマパーク。タイムスリップ感覚抜群の穴場。細かく見て回るとあっという間に時間が過ぎる。屋根に寝そべるネコ・ロボット(どらえもんではない)も可愛い。深川江戸資料館通りは深川丼、深川めしのメッカ。それぞれに個性があるので、食べ歩くのもいい(深川グルメのページ参照)。

豪商たちの夢のあと

 お腹を満たしたら、通りを引き返して清澄庭園へ。ここはかつて紀伊国屋文左衛門の屋敷があった場所と言われ、三菱財閥創業者の岩崎弥太郎の尽力で1880年(明治13年)に庭園が完成、深川親睦園と命名された。続く2代目の岩崎弥之助は庭園の泉水に隅田川の水を引き込むなどして、1891年(明治24年)に回遊式築山林泉庭園としてほぼ現在の姿に。庭園の西側にはジョサイア・コンドル設計による瀟洒な洋館も。

 ここを歩くならあちこちに配置された全国の名石を鑑賞して欲しい。贅を尽くすとはこういうこと。大河ドラマで見た弥太郎の下品なイメージが払拭されること間違いなし。しかも、関東大震災の時には避難場所として解放され、多くの庶民を救ったというのだからエライではないか。ここでのんびりと時を過ごし、紀文と岩崎弥太郎という、2人の豪商に思いを馳せ、栄華を極めた者の「粋」を感じるのも一興。近くには紀文の墓もあるので、時間があったら訪ねてみては?

CLICK! 下町文化を訪ねて 芭蕉記念館〜のらくろ館〜東京都現代美術館  

下町文化を訪ねて 芭蕉記念館〜のらくろ館〜東京都現代美術館

旅立つ俳聖の思いとは

 都営新宿線の森下駅A1出口を出て新大橋通りを浜町方面に5分ほど歩くと新大橋が見えてくる。橋の手前の十字路を左に曲がり、さらに数分歩けば芭蕉記念館に到着。俳聖・松尾芭蕉が江戸日本橋からこの地の草庵・採荼庵に移り住んだのは延宝8年(1680年)。その9年後の元禄2年(1698年)3月27日(新暦5月16日)にこの地を出発し、弟子の河合曾良と共にまだ見ぬ憧れの地、奥州に旅立ったのが「奥の細道」の始まり。芭蕉、45歳の時だった。

 江戸時代の45歳というと、すでに隠居の歳。150日、2400キロの行程は死を覚悟したものだったに違いない。事実、芭蕉はこの3年後に亡くなっている。ちなみに、旅立ちの句は「草の戸も 住み替はる代(よ)ぞ 雛の家」。終点、大垣での句は「蛤(はまぐり)の ふたみにわかれ行く 秋ぞ」。

 記念館の裏木戸を出ると、眼前に隅田川が広がる。川沿いの道を左に少し歩けば小さな庭園が あり、芭蕉像や芭蕉庵のレリーフを見ることができる。

 今度はもと来た道を引き返して、萬年橋北の交差点を左折、しばらくまっすぐ歩いて清澄通りを過ぎると「のらくロード」の旗や看板が見えてくる。ここ、高橋商店街はのらくろの街だ。もちろん、ここでしか買えないのらくろグッズも豊富に揃う。若者に受けるかどうかは別として…。作者の田川水泡は、幼少期から青年期までを江東区で過ごした。この下町色全開の商店街を抜けると、森下文化センターがあり、左手奥に「田川水泡・のらくろ館」がある。

 入り口では大きなのらくろ人形がお出迎え。こののらくろはあまりやる気は感じられないが、展示物はなかなか充実しており、もともとは気鋭の現代美術家であったことや、新作落語の専業作家でもあったこと、また、ペンネームは本来、本名の高見沢をもじった「田川水 泡(たかみず あわ)」だったのが、誰もその通り読んでくれなかったために「田川 水泡」になったこと、また、婦人は文芸評論家・小林秀雄の妹であることなど、興味深いエピソードがたくさんあって、無料の割にはなかなか楽しめる。

現代アートの本物に会える

 文化センターを後にして、一路東へ。三ツ目通りを右折して橋を渡り、清洲橋通りを過ぎると木場公園の緑が見えてくる。2つ目の信号の先が東京都現代美術館だ。1995年(平成7年)の開館。柳澤孝彦の手による、建築そのものがアート。常設展示でアンディ・ウォーホル の『マリリン・モンロー』 やロイ・リキテンスタインの『ヘア・リボンの少女』といった作品の実物にお目にかかれる(都が購入した際には、何だ!このマンガみたいな絵に何億もつぎ込みやがってという批判が噴出した)のだが、現代美術に興味がなくとも、エントランス周辺を歩くだけでそこそこ楽しめる。売店やレストランもお洒落。歩き疲れたら、木場公園のベンチに寝転がるのもいい。ある意味、自然こそ最高のアートなのだから。

CLICK! スカイツリーを追いかけて 木場公園〜ホテルイースト21〜江東区役所

スカイツリーを追いかけて 木場公園〜ホテルイースト21〜江東区役所

意外な「穴場」も…

 スカイツリーといえば墨田区だが、江東区でもいろんな場所でお目にかかれる。2012年のオープン以前から、新名所・スカイツリーを背景に写真を撮るケースが増えている。そこで、江東区で見られるスカイツリーの絶景?ポイントを紹介しよう。

 まずは木場公園。永代通り側から普通に公園内を歩いていくと、途中の公園大橋を超えたあたりで突然目の前にドカンと現れるのだが、撮影ポイントとしては、四季折々に花が咲く都市緑化植物園での撮影をお勧めしたい。ここなら、花を手前に、スカイツリーをバックに撮影できる。春には小さな菜の花畑ができるのだが、ここから撮ってみるのも良い。

 公園大橋が見えたら、手前の階段を下に降りて、葛西橋通りに出る。そのまま5分ほど歩くと、ひときわ高いホテルイースト21のビルが見えてくる。穴場はこちらの21階にある2つのレストランとカクテルラウンジ。周囲に障害物がないので晴れた日には絶好のビューポイントとなる。

 しかし、ここの欠点は散歩ついでの食事にしては多少値が張るということ。ここ一番のデートには使えそうだが、気軽にふらり、というわけにもいくまい。しかし、心配ご無用。何を隠そう、金欠でも十分スカイツリーが満喫できる高層レストランがある。ご存知、江東区役所である。イースト21とは、目と鼻の先である。区役所の8階にある食堂なら、もりそばやラーメン、カレーが300円台である。何というコストパフォーマンス!但し、伝統的な社食スタイルそのままに、味は「それなり」である。しかし、散歩ついでに腹を満たすなら、ここで十分だと思う。プラスチックの食券に昭和のノスタルジーを感じる方は、是非どうぞ。

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